ステップB2. ランプのデザイン

 《1》 概略デザイン

 ステンドグラスのデザインの方向性を決めるために、まず先にランプベースを入手しておいた方が良いです。 ランプベースとは、ステンドグラス・シェードを固定し、同時に電球を付けるソケットやケーブルを備えた、 主に金属製のスタンドのことです。 今回は、「ミニアップグレープ」とか「グレープバイン」といった商品名で売られている、針金でできたベースを用います。
 このランプベースの大きさを測り、形の概略を紙に描き映します。 そして、ランプシェードの大きさの見当を付けながら、側面図をフリーハンドで描きます。

 このベースは、シェードを釣鐘のように吊るす構造で、下部に電球のソケットを備えています。 ですので、シェードは上部に吊り下げのためのフックが必要です。 また、下部には大きな開口が必要です。そして、頂上には、空気抜きの穴を設けます。 電球で熱せられた空気が内に籠らないようにするためです。

 また、デザインのポイントとして、初級者は直線主体の大き目のピースで構成するようにします。 この「ナツメ」は、縦長の釣鐘型で、上部に針金のフックを備え、台形と長方形のピースのみで作れるように計画しました。

ランプベース 概略デザイン
 《2》 展開図の制作
 方眼紙に、鉛筆で展開図を製図します。 一度書いた図を切り取って、組み立てて確認してみるのも良いです。思っていたような立体になればOKです。
方眼紙に型紙を製図する
 《3》 モールドの制作
 組み立ての時に使うモールド(型)を、ボール紙で作っておきます。 展開図をカーボン紙で、ボール紙に写し取り、切り出した後、セロファンテープなどでがっちり組み立てます。
ボール紙でモールドを作る 出来上がった型紙とモールド
 《4》 ガラス(色)の選定

 ステンドグラス制作で、ガラスの種類や色を決める作業は、楽しいときであり、また難しい作業でもあります。 やたらと色数が多かったり、ちぐはぐな色を組み合わせると、とたんに品が無くなります。 迷った時は、同系色でまとめるのも手です。

 今回、ガラスは2種類の紫系を用いることにします。
 a.オパールセントの多色ストリーキーガラス
 b.トランスペアレント(透明)の紫
です。
 オパールセントとは陶磁器のような半透明なガラスのことです。 またストリーキーとはマーブリングのような、流れ模様の事です。
この2色を市松模様に並べます(ガラスのメーカーと型番は、次のステップで詳しくご紹介します)。 本来、点光源であるランプには、オパールセントが適しています。 ですが、今回、あえてトランスペアレントも配して、電球の光がまぶしく見える効果も試したいと思います。

 図案の各ピースに番号をふっておきます。アルファベットはガラスの種類を、数字は形状の種類です。 オパールセントをa、トランスペアレントをbとします。 型紙には、a1、b1、a2、b2、‥‥のように記しておきます。 今回は、同じ形状のピースは、同じ番号になるようにしました。

今回使用するガラス
 《5》 型紙のプリントアウト
 この講座と同じ「ナツメ」を作りたい方は、下の型紙図面(PDFファイル)をクリックして表示したものをA4用紙に印刷し、 適宜拡大/縮小コピーしてご利用ください。
原画のスキャン画像

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