ステップC9. 周囲の補強

 《1》 レッドケイム技法
 ステンドグラスの作り方には、コパーテープ技法とは別に、もっと歴史の有るレッドケイム技法があります。 レッドケイムという溝の付いた鉛の線を使って組み立てる方法で、伝統技法とか鉛線組みなどとも呼ばれています。 レッドケイムは断面がH字型(Hケイム)またはU字型(Uケイム)をしていて、この溝にガラスピースを差し込みます。 またケイムは柔らかいので、ガラスピースに沿って曲げることが出来ます。組み立てた後、ケイムとガラスの隙間に パテを充填して、固定します。
 今回の作品では、補強の意味で、外周にだけレッドケイムを巻きます。  レッドケイム幅はバラエティー豊富で、6〜12mm程度がよく使われます。今回は10mm幅のHケイムを使います。 レッドケイムの長さは通常1.6〜1.8mmですので、1本で事足ります。これを切って、また手で曲げて巻きつけます。
今回使う鉛線 外周部の断面図
 《2》 実際の取り付け
 レッドケイムを切るためのイチョウの葉の形をしたケイムナイフというものが有りますが、 それを買わずに、ニッパやカッターナイフ、糸鋸で代用してもかまいません。まず端部を斜め45°で切ります。
ケイムナイフ 端点
 この端部に半田が終わった作品を差し込みます。どこに差し込んでもいいですが、 ケイム端部を半田で仮止めしたいので、半田線の有る場所に一致させます。
 レッドケイムにもペーストフラックスを付けて半田付けします。 ケイムの半田作業で注意しなければならない点は、ケイムの融点も低いので、 半田コテの温度が高かったり、作業が長引くと、融けて形が崩れてしまうことです。  レッドケイムに半田を付けるときは、電源をこまめに切り、コテ先の温度が上がり過ぎないように注意してください。 一度融けてえぐれてしまったレッドケイムは、もとの形には直らないと思ったほうが良いです。
 端部を点止めで仮固定したら、作品外周にそってレッドケイムを差し込みながら、巻いて行きます。 このとき溝の奥深くまでガラスを差し込んで下さい。
端部を点止め 手でケイムを差し込みながら巻いていく
 《4》 半田での固定  レッドケイムの終点をぴったりの長さで切ります。この端点も45°にして、始点と半田で結合します。
終点の端点もカット 半田で固定
 半田線が周囲に達している部分では、半田線がケイムの溝に入り込んでいると思います。 この部分は、ペーストを塗り、半田を盛って結合しておきます。
半田線が周囲に達している部分 半田を盛って結合
 この結合は表と裏の両面で行います。今回は、ケイムの溝にパテを詰めませんので、これで組立作業は終了です。
組み立て終了

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