ステップC10. 洗浄と黒染め

 《1》 洗浄
 洗浄は、表面に付いたフラックスを洗い流し、半田やレッドケイムの酸化膜を除去することが目的です。 これくらいの大きさの作品を洗浄するためには、簡易的なプールを用意するのが便利です。  45mm角程度の垂木(木の角材)ろロの字型に並べ、ブルーシート(防水シート)を上から敷いて、 テーブルの上に即席のプールを作ります。
この中で、洗浄と黒染めを行います。
垂木(木の角材)ろロの字型に並べ ブルーシートを上から敷いて
 まず、大量の熱湯を作品全体にいっぺんに掛けて、ペーストの油分を融かします。 一旦熱湯を捨てて、中性洗剤と真鍮ブラシで半田線を磨きあげます。歯を磨く要領で、立体的な半田線の隅から隅まで磨きます。
 両面磨き上げたら、再度大量のお湯で洗剤と汚れを洗い流し、タオルで拭いて乾燥させます。
湯で油分を溶かす 洗剤と真鍮ブラシで磨く
 《2》 黒染め
 ブラックパティーナで黒染めします。半田線だけでなく、レッドケイムも黒く染めます。 両面終わったら、お湯でパティーナを洗い流します。この時、ぬれたタオルなどでやさしく拭くと、きれいになります。 抜いたとき、黒染めが剥離するようでしたら、やめてください。
黒染め パティーナを洗い流しふき取る
 《3》 ワックス塗布
 作品が乾燥したら、半田線とレッドケイムにワックスを塗布しておきます。 これは防錆のためですので、洗浄と黒染めしたその日の内に行ってください。
防錆のためにワックス塗布
 《4》 額への固定
 今回市販の丸い木額に取り付けます。今回は、裏から4箇所木ネジを斜めに打って止めます。 木ネジを使う方法以外にシリコンシーラント(コーキング)を充填する方法もあります。 もし作品が大きすぎて、額に嵌らないときは、周囲のケイムをカンナで削ってください。
額への固定
 ようやくステンドグラス中パネル「カラスウリ」の完成です。窓辺に鎖などで吊るして飾ると素敵です。
中パネル「カラスウリ」

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