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D.《関脇》コース 〜ティファニーランプの作り方〜
ステップ D1
概要説明
ステップ D2
モールドについて
ステップ D3
デザイン講座
(立体編)
ステップ D4
ガラスカット
ステップ D5
ルーターと
テープ巻き
ステップ D6
半田付け1
ステップ D7
半田付け2
ステップ D8
縁の半田
ステップ D9
仕上げ
ステップ D10
ランプベース
付 記 1
キャップ直付け例
付 記 2
工具と消耗品一覧
ステップD8. 縁の半田
《1》 縁仕上げの流れ
ステンドグラス シェードは比較的柔らかい合金である半田で組み立てられているため、長く使っていると波打つように 変形してきます。特に直径40cm以上の大きなシェードで顕著です。 そのため、強度を増すために色々な補強がなされます。そのひとつが、真鍮パイプをリムとして使った縁仕上げです。
今回は直径30cmの小型のシェードですので、このリムだけでも強度が出ます。 もし、直径40cm以上の大きなシェードを作る場合は、シェードの裏側に銅板のリブを這わせることもします。 言葉が良く似ていますが、リムは輪、リブは帯状の突起です。
下図は、リムをシェードの縁に埋設するように取り付ける時の原理図(断面図)です(上下ひっくり返して描いてあります)。 この処理で、縁がしっかりして、同時に美しく仕上がります。
@ まず真鍮パイプでできたリムを点止めで、縁(ボーダー)に固定します。
A シェード内側に半田を厚く盛ります。
B シェード外側に半田を厚く盛ります(ABの順序は逆でもかまいません)。
C 適宜上面にも半田を盛り、周囲にコテを当てながら、リムを隠し、きれいな円弧断面になるように仕上げます。
《2》 リムの加工
リムの材料として、外径3mm、内径2mmの真鍮パイプを用います。長さは1mほどです。 また、これは無くても大丈夫ですが、端点を結合するために、直径2mmの真鍮棒(長さ4cm程度)もあったら便利です。
このパイプをサンドペーパーでよく磨いておきます。次に、シェードの縁に合わせて輪に曲げていきます。
パイプの余り部分は糸鋸で切断します。心持短めに切断するのがコツです。 次に、両端部に直径2mmの真鍮棒を半分ずつ挿入して、輪に結合します。 また、後で長さ調整のため、外すことも考えられるので、接着はしないで下さい。
《3》 リムの点止め
シェードの縁(ボーダーの縁)のコパーテープにペーストフラックスを塗り、半田メッキしておきます。 半田メッキとは、薄く銀色の色が着く程度に半田を付けておくことで、後々本半田しやすくなります。
次に輪になったリムを縁に載せ、5cm間隔でペーストを付け、点止めしていきます。 スタート地点はどこでも良いですが、結合部付近は最後にしてください。
点止めが全周の2/3程度終わった時点で、輪の大きさを再度確認します。 もし大き過ぎていたら、少しやりにくいですが、糸鋸で余分を切断してください。 もし短い場合は、結合部の真鍮棒がパイプの隙間を補完しますので、大丈夫です。 下の写真からわかるように、今回はパイプが少し短かったことに気が付きましたが、内部に真鍮棒が入っているので大丈夫です。
《4》 半田の厚盛り
真鍮パイプを包み埋設するように半田を厚盛りしていきます。スタートは、シェードの内側からでも外側からでも結構です。 半田ごての温度を少し低めにして、リブとボーダーとの隙間を埋めるように半田を落としていきます。 形が悪くても気にせず、ひたすら量を盛っていきます。 半田の消費量の目安は、半田を施した距離と、消費した半田棒(直径3mmの場合)の長さが同じになるくらいです。
下図では、リムにペーストを塗り、隙間を埋めるように厚盛りしています。 あまり悠長に加熱していると、隙間から裏側へ半田がぼとぼと落ちてしまいますので、すばやく盛りましょう。
次に、面をかえて、外側にも同様に盛ります。このとき固定具(フォーム・ポジショナー)とモールドを再度用い、 シェードをモールドの上に軽くかぶせて作業します。 この段階では、モールドとシェードは密着しませんので、下図では、両者の間に新聞紙を挟んでガタをなくしています。
外面の厚盛りが終わった時点で、リムの大部分は半田で覆われると思います。 足りない場合には、シェードを固定具から外し、裏返して置き、上面にもダメ押しで盛ります。
厚盛りが終わっても、仕上げをしたわけではないので、表面はでこぼこして汚いです。
ここからは根気良く、縁を仕上げていきます。 ペーストをマメに塗り、何度もコテを当てて、縁がきれいな円弧断面になるように再加熱します。
面倒がらずに、内側や上面、外側と、何度も向きを変えて、でこぼこを徐々にならしていきます。 半田が融けたときの表面張力と粘性を利用して、脱落しない程度に液状化させるのが、きれいな半田肌にするコツです。 また、半田ゴテを当てる面は、たとえ狭い面であっても、地面に対して水平になるよう、心がけてください。
仕上げの半田コテを当てている様子を動画でご確認下さい。
動画(39秒)
写真のように滑らかな縁が出来たら、完成です。
《5》 サインを入れる
オリジナルの作品に自分のサインを入れるのは、楽しみの一つでもあります。 パネルでは、グリザイユで書いて焼き付けたりしますが、コパーテープで作る方法も有り、立体作品に適しています。
まず、サインを入れたい部分の油分(ペースト)を除去して、コパーテープが付きやすい状態にします。 ベンジンを染み込ませたティッシュなどでよく拭いてください。
幅の広めのコパーテープ(1/4インチ幅など)を広めに貼り付けます。面積が広いときは、少しずつ重ねて、何枚も貼ります。 次に油性マーカー(マジック)でサインを書きます。 そして、サイン部分以外のコパーテープをカッターナイフで切り取り、剥がします。 後は、マジックをアルコールでふき取った後、残ったコパーテープにペーストを塗って半田を盛れば完了です。 テープの下部はガラスですので、半田コテは手早く当てて下さい。長々と当てていると、熱でヒビが入ります。 細かいサインの場合は、コテ先の尖ったところを突きたてて、細く盛るのがコツです。
《6》 キャップの半田メッキ
キャップも最後に黒く染めますので、前もって半田メッキしておきます。 まず、サンドペーパーで表面のみ良く磨きます。真鍮と言う金属は、良く磨かれると淡いページュになります。 孔の縁も、サンドペーパーをたたんだり、丸めて棒状にしたもので磨きます。
磨き終わったら、ペーストを塗り、半田メッキします。キャップは体積も有り、なかなか温まりません。 半田コテをキャップに当ててしばらく熱が広まるのを待ちます。キャップは熱くなりますので、ラジオペンチやピンセットで持ちます。 十分に熱せられたキャップは、半田の伸びが良いので、ほんの少しの量でも、全面に広がります。 半田メッキのコツは、少量を薄く広く伸ばすことです。
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